« 1995年04月 | メイン | 1995年06月 »

1995年05月07日

国会は宇宙食導入 最高裁も検討中 官邸は「今後...」[朝日新聞]

国会は宇宙食導入 最高裁も検討中 官邸は「今後・・・」
非常時の備蓄食 官邸職員「新しい物も調べます」
写真:衆参両院が購入を決めた缶入りドライフーズ

1995-5-7-asahi.jpg
阪神大震災を機に、国会の衆参両院の事務局が災害時の非常食として、米国製の宇宙食の備蓄を始めている。最高裁も、宇宙食の輸入業者に問い合わせるなど検討中だ。一方、乾パンと赤飯の缶詰しかないという首相官邸では「今後、いろいろと検討していくと思う」。官邸の遅れが目立っている。

衆参両院が備蓄を決めたのは、米航空宇宙局(NASA)がアポロ7号以降使用しているという保存期間25年の缶入りドライフーズ。チキンや野菜などの3種のシチューと、ビスケットだ。
お湯を加えてシチューを試食した衆院の衛視からは「なかなかおいしい」と評判だった。水がなければ、そのままでも食べられる。これまで国会では、カップめんなどを緊急用に置いていたが、徹夜国会などの際に食べてしまうことが多く、「備蓄」といえるものは事実上なかった。
計画では、衆院が5千人、参院は3千人のそれぞれ3日分を備蓄する。衆院の場合、議員、秘書、職員ら約4千人に加え、約千人の避難住民を想定し、計4万5千食をそろえる。1食分が約5百円ということもあって、両院とも3年がかりで購入する計画だ。
阪神大震災の後、衆院事務局で調べたところ、永田町や霞ヶ関など日本の中枢といわれる地域で、災害時を想定して本格的に食糧を備蓄していた公的機関は、麹町消防署だけだったという。
衆参両院が購入を決めた宇宙食の輸入元・セイエンタープライス社(東京・平河町)によると、16年前から非常用食糧として輸入を始めた。味がよくて、長持ちすることから、震災後、注文や問い合わせが殺到した。「官と民を比べると、民の方が対応が早かった」と話す。
最高裁事務総局では昨秋から、同社の輸入品について調査を始めた。震災後には、先に導入を決めた衆院事務局に問い合わせるなど、検討を重ねている。
一方、永田町の首相官邸では現在、官邸職員約75人を含む約百人が1週間持ちこたえられるだけの食糧は備蓄しているというが、ほとんどが乾パンや赤飯などの缶詰類。震災後も、「官邸から、非常食についての指示はない」(総理府官房総務課)という。
官邸の担当職員は「万一の時、毎日赤飯ではうまくいかないだろう。いろいろ新しい物もでてきているようなので、今後、調査、検討していきたい」と話している。

投稿者 店長 : 10:10 | コメント (0)

1995年05月01日

国会に宇宙食を備蓄[読売新聞]

国会に宇宙食を備蓄
「地震」自らの危機管理へ 本会議場補強も

1995-5-1-yomiuri.jpg
国会は、30日までに、阪神大震災を契機に、非常食の備蓄や本会議場の補強など地震対策に取り組むことを決めた。すでに95年度補正予算案に調査設計費の計上を要求しているヘリポート建設計画と合わせ、立法府も自らの危機管理に乗り出したと言えそうだ。
1936年(昭和11年)に完成した現在の議事堂が関東大震災の教訓から震度7に耐える構造になっていることもあり、これまで、地震対策はあまり議論されず、食料の備蓄などは行っていなかった。今回、阪神大震災の発生を受け、「とりあえず身近な対策から」(参院事務局)進めることにした。
備蓄する非常食は、米航空宇宙局(NASA)と米国の食品メーカーが共同開発した宇宙食用の缶詰食品で、常温で25年間保存出来る。計画によると、議員、国会職員、周辺住民らが3日間暮らせるだけの数量を今年度から3年がかりで購入する。対象人員を衆院は5千人、参院は3千人と見積もり、衆参合わせて計7万2千食、購入総額は約4千万円。今年度分は既存の予算をやりくりし、来年度から新規に要求する。
議事堂については、参院が震災発生を受けて、すでに、天井にはめ込めれたステンドグラスをプラスチック板で覆う補強工事を実施した。衆院も、同様の工事を計画している。このほか、電話回線が使えなくなった事態を想定して、議員宿舎や議長公邸などの関係施設に無線機を設置し、本館内の警務部と無線で連絡が取れる体制づくりも進める。
また、ヘリポート建設計画は、議事堂北側の国会参観バス駐車場用の敷地に、ヘリ2機の発着を可能にするもので、災害調査の緊急移動や外国議員団の来訪などに使う。97年度からの使用開始を目指す方針だ。

投稿者 店長 : 10:00 | コメント (0)