噴火が起きそうなときは、気象庁から警戒速報が流れます。警戒速報が流れたら気象庁や自治体の指示にしたがって迅速に行動しましょう。また、噴火が起きたら気象庁の「各火山の活動状況」で状況を確認できます。

噴火の状況を確認しながら、今自分がとるべき行動を判断する必要があります。そのためには、まず噴火が起きたらどのような災害が考えられるのか、どのように行動すればよいのかを学んでいきましょう。

火山噴火が起きたときにとるべき4つの対応

噴火が起きたときは、以下のような命を守る行動をとる必要があります。

噴火が起きたときにとるべき4つの対応
・火口付近から避難する
・火山灰が目や喉に入らないようにする
・建物・岩陰へ避難する
・交通事故に気を付ける

噴火が起きたら、まず噴石の飛来が考えられます。噴火と同時に猛スピードで飛んでくるため、事前に避難する建物や岩陰の見当をつけておきましょう。

【登山中】火口付近から避難する

登山中に噴火が起こった場合、火砕流や泥流などの発生が考えられるため、身の安全のために火口付近からはできるだけ距離をとるようにします。その際、「火砕流や泥流が流れやすい窪地や谷筋を避けて離れる」という点に留意してください。

火砕流や泥流は、数百℃と非常に高温です。また、時速60km以上で迫ってくることもあるため、*注1足を取られると逃げ切れるものではありません。そのため、噴火の際は「火口付近から距離をとる」「窪地や谷筋を避けて避難する」ということを覚えておきましょう。*注2

【参考サイト】*1:政府広報オンライン *2:東京海上日動

火山灰が目や喉に入らないようにする

火山灰は、ただの灰ではなく噴火によって粉砕されたガラス片や鉱物結晶片からできています。そのため、火山灰自体に高い毒性はありません。しかし、火山灰は直径2mm以下と細かく、*3目や呼吸器官に入りやすい形状をしています。健康被害を引き起こしやすい可能性は極めて低いのですが、大量の火山灰が降った場合は、鼻や口、喉をはじめとした気換気系や目、皮膚などに影響を感じる人もでてきます。*4

火山灰から目を保護する方法*5
・メガネをかける
・ゴーグルをかける
・コンタクトレンズを外す

火山灰から口・喉を保護する方法*6
・マスクを着用する
・ハンカチやタオルで口と鼻を覆う
・窓を閉める

火山灰が付着した場合はたっぷりの水で洗い流すか屋外で叩き落としましょう。*7ただし、落とした火山灰は、下水に流してはいけません。種類にもよりますが、火山灰は性質上、水分を含むと重くこびりつきやすくなるため、排水管など詰まりの原因になります。*8火山灰の処分は、「集めて回収」が一般的です。行政から指示があるまでは、邪魔にならない場所に集めて置いておきましょう。

【参考サイト】
*3:大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ
*4:小林市
*5・8:三井住友海上
*6:埼玉県
*7:防災科学技術研究所

建物・岩陰へ避難する

噴火によって吹き飛ばされる岩石=噴石が飛来する可能性があります。噴石は大きいもので20~30cm以上になるため、命の危険性が非常に高くなります。*9

そのため、コンクリート製の頑丈な建物や岩陰に隠れて身を守る必要があるのです。その際、できるだけ中身の詰まった大きな荷物を盾にするように身体を隠すとさらに安全性の確保が可能になります。*10

【参考サイト】*9:気象庁  *10:日本気象協会トクする!防災

【車・バイク乗車中】交通事故に気を付ける

噴火後は以下のような火山灰の影響を受ける可能性が高くなります。

  • 視界不良
  • センターライン、道路標識が見えない
  • スリップしやすくなる

そのため、降灰中や降灰後の運転は非常に危険です。「避難所まで距離がある」「身体的に歩くのが難しい家族がいる」など特別な理由がない限り、火山灰がある状態での運転は控えましょう。

【参考サイト】*11:TOYO TIRES

噴火によって発生する災害とは?

噴火によって発生する災害

噴火が起きると以下のような災害の発生が考えられます。

噴火によって起こる災害
・火山灰
・隕石
・火山ガス
・火砕流
・溶岩流

これらがどのような現象で、どのような影響をもたらすのかを紹介していきます。

火山灰

噴火と同時に噴き出す火山灰には以下のような特徴と危険性が考えられます。

  • 2.5μm以下~2mm以下と非常に小さい*12
  • 目や鼻から人体に入り込む
  • 数十年に渡って降り続けることもある*13
  • 重さで家が潰れることも

粒子の大きさによっては一般的なマスクをもすり抜けるため、火山灰対策は「防塵マスク」がおすすめです。*14また、放置しておくと雨で水分を含み、重さが増します。水分を含んだ火山灰は、家を押し潰すほど重たくなるため、こまめに除去する必要があります。*15

【参考サイト】
*12:大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ
*13:NHKそなえる防災
*14:日テレNEWS24
*15:三井住友海上

噴石

噴火と同時に50cm以上の大きな噴石(岩石の破片)が飛んでくる可能性があります。飛来範囲は火口から2~4kmほどと言われています。*16

噴石は屋根を突き破るほどの威力があるため、頑丈なコンクリート製の建物もしくは岩石の影に身を隠す必要があります。*17しかし、実際には噴石の発生後に避難する時間はほとんどないため、噴火の兆候を感じた時点で避難するようにしましょう。*18

【参考サイト】
*16:東京海上日動
*17:日本気象協会トクする!防災
*18:首相官邸

火山ガス

火山ガスとは、火山活動の際に火口や噴気孔から噴出するガスのことを指します。100℃以下~1000℃を超える高温に達することもあり、火口付近にいる場合は非常に危険です。*19

成分のほとんどは水蒸気であり有毒性は低いですが、火山ガスに含まれる二酸化硫黄や硫化水素は吸引すると人体に影響を及ぼします。そのため、長期的に火山ガスの噴出が続く場合は、避難が必要です。*20

【参考サイト】
*19:東京大学大学院 理学系研究科・理学部
*20:気象庁

火砕流

火砕流とは、噴火と同時に空気や水蒸気、岩石が一体となって流れてくる現象のことです。温度は700℃以上、*21時速100km以上*22の猛スピードで流れ出ることもあります。

大規模な噴火となると、数千k㎡を一瞬で覆ってしまうと地科学的には言われています。そのため、噴石と同様に火砕流から避難する時間はありません。命を守るためにも事前に避難することが重要です。*23

【参考サイト】
*21:NATIONAL GEOGRAPHIC
*22:NHKそなえる防災
*23:首相官邸

溶岩流

溶岩流とは、噴火によって地下から噴出したマグマが、高温のまま地表に流れてくる現象のことを言います。日本の火山では粘性の高い溶岩流が確認されることが多く、時速2~3km以上になることは稀です。また、地形の低い方に流れる性質から、避難する時間の確保しやすい傾向にあります。

しかし、噴出時の温度は800~1,200℃と高温なため、火口付近で被害にあうとひとたまりもありません。

【参考サイト】*24:気象庁 防災メモ

噴火が起きる兆候とは?

噴火の兆候
地鳴りのような音がする地面の隆起・沈降河川で魚介類が死滅する噴煙の量や色の変化

噴火前はマグマが岩盤を割りながら上昇するため、地震の発生が一般的です。また、マグマ上昇の影響で、地割れや沈降、河川の水位変化や魚介類が死滅する現象がみられることもあります。また、火山活動が活発化するため、噴火前には噴煙量の増加や色の変化が確認されます。

上記のような兆候がみられた場合は、噴火していなくても避難しましょう。事前に避難することで人的被害を最小限に抑えることができます。

【参考サイト】
*25:鹿部町

兆候を感じたら「噴火警戒レベル」をチェック

噴火警戒レベルは、気象庁が発表している「火山活動の状況に合わせた安全行動の指標」を示しています。5段階に分かれており、レベル別に警戒が必要な範囲も定められています。

引用:気象庁

上記の表のように警戒レベル「4」が発令された時点で、すぐに避難行動をとれる状態であることが必要です。「噴火してから準備すれば大丈夫」といった悠長な考えは通用しません。人的被害を最小限に抑えるためにも休火山・活火山の近隣に住んでいる方は、非常食や災害グッズを常備しておきましょう。

噴火に対する3つの事前対策

噴火 事前対策
噴火に対する事前対策
・災害対策グッズを用意する
・避難経路を確認しておく
・火山の活動状態をチェック

噴火には事前の対策が必須です。事前の準備によって、生存率が変わると言っても過言ではありません。

災害対策グッズを用意する

噴火が起きてからは、避難が最優先です。噴火後に避難グッズの準備をしていたら、取り返しのつかないことになってしまいます。そのため、事前に以下のようなもの*26を準備して万が一に備えておくとスムーズに避難できるでしょう。

・ゴーグル
・ヘルメット
・懐中電灯
・タオル
・マスク
・長靴
・手袋
・雨具

上記のものに加えて、入山する人は救助要請や現状を知らせるために「スマートフォン」や「モバイルバッテリー」が必須です。*27持ち運びには透明のビニール袋に入れておくと、火山灰の影響を受けることもありません。

【参考サイト】*26:富士山.net *27:YAHOO!JAPAN

避難経路を確認しておく

噴火してからは迅速な対応が求められます。そのため、事前に「被害の範囲」と「避難経路」を確認しておきましょう。おすすめは、防災科研の「火山ハザードマップデータベース」です。「火山ハザードマップデータベース」は火山ごとのマップが用意されているため、自分の状況と照らし合わせながら確認ができます。

火山の活動状態をチェック

火山に近づく際は、気象庁の「火山活動の状況」を確認してからにしましょう。登山中の被災を防ぐためにも噴火の可能性が高い時は、入山を避けるのがベストです。目視で確認するのは大変危険なのでやめましょう。

特に火山付近に住んでいる人は、気象庁が発表する噴火予報などで近隣の火山がどういう状況なのかを確認しておくことで、いざというときの心の準備ができます。

まとめ

噴火は自然現象であり、自然は私たちの事情を考慮してくれません。そのため、事前の準備が重要です。事前に準備をしていないと逃げ遅れる可能性が高くなります。逃げ遅れた分だけ危険性が上がるので、事前の準備が生死を分けると言っても過言ではありません。

自分の身は自分で守る必要があります。いつどこで発生するか分からない自然の脅威を少しでも予測し、被害を最小限に留めるためにも、噴火に備えておきましょう。