かつてはほとんどのご家庭に置かれていた救急セットですが、単身世帯や核家族が増えてきたこともあってか、最近は救急セットを見かけないお家も増えてきました。しかし、大規模な災害への備えが叫ばれている昨今、救急セットの重要性は増しています。
今回は、災害に向けて万全の備えをしたい方向けに、「常備しておきたい救急セットの中身」を解説します(※本記事は2022年9月12日時点の情報です)。
救急セットに欠かせない中身リスト
子供の頃に転んで手当をしてもらった人であれば、絆創膏や消毒液が真っ先に頭に浮かぶかもしれません。そうした「日常生活で使う医療品」はもちろん、それ以外にも「災害などの非常時を想定した医療品」も意識することがポイントとなります。
以上を踏まえた上で、救急セットに欠かせないアイテムは、以下の通りです。
- 消毒液
- 絆創膏
- 綿ガーゼ
- 除菌ジェル
- 爪切り
- とげ抜き
- ハサミ
- ホイッスル
- 綿棒
- 裁縫セット
- 包帯
- 常備薬
- 使い捨て手袋
100均でそろえられるアイテムも多いため、早めに準備されることをおすすめします。
消毒液
消毒液は救急セットの中身として基本中の基本です。傷口を消毒せずに放っておくと、化膿して大きく悪化する可能性があります。最悪の事態を防ぐための応急処置として、消毒液は欠かせません。
傷口の消毒に使われる消毒液は、コロナ禍で一般的となった「手指用消毒液」などとは種類が異なります。「同じ消毒だから、どちらを使ってもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、両者は殺菌する菌やウイルスの種類が異なります。救急セットの中に用意する消毒液としては、「傷口消毒用」を用意することが必要です。
絆創膏
切り傷や擦り傷を負ってしまった時、傷口を保護するために使うのが絆創膏です。
最近では、「傷口を乾かす」よりも「傷口を湿らせる」ほうが治りやすいという考え方が広がってきています。それに伴って、絆創膏の中にも「湿潤療法(傷口の乾かさずに湿らせる)」用に作られた絆創膏が登場しています。
「傷口を保護する」だけでなく「治りを早くする」ことを優先するのであれば、この「湿潤療法」用の絆創膏を用意しておくべきです。ただし、この「湿潤療法」タイプの絆創膏は、傷が化膿しかけている状態などに使うのは適さないため、これまでの絆創膏も合わせて用意しておく必要があります。
綿ガーゼ
ガーゼは傷の手当て以外にも、マスクに重ねることで保温や保湿の効果をアップしたり、さらに赤ちゃんの手や口を拭いたりと、幅広いシーンで活躍します。災害時などの避難生活では買い物がしづらくなってしまう事態も予想されるため、このようにさまざまな使い方ができるアイテムは用意しておきたいところです。
特に赤ちゃんの肌に触れることを考えれば、いろいろな素材がある中でも綿でできたガーゼを使うことをおすすめします。
除菌ジェル
コロナウイルスが流行してからというもの、あちこちで見かけるようになった除菌ジェルですが、以前から外出先での食事前の消毒などに重宝されてきました。水がない状況でも不衛生になることを回避できる点で、重要度の高いアイテムといえます。
除菌ジェルを選ぶ基準としては、基本的には殺菌力の高さ(=アルコール濃度の高さ)に優れているものをおすすめします。ただし、肌が弱い人や赤ちゃんがいるご家庭の場合、アルコール濃度が高い消毒液だと皮膚がかぶれてしまうことがあるため、その場合は保湿力などを重視することが大切です。
爪切り
爪を長く伸ばしていると不衛生の原因となったり、ぶつけてしまった時に爪が剥がれやすくなるなど、さまざまなトラブルにつながります。そのため、救急セットの中には爪切りも用意しておきたいところです。
災害時に住む避難所などで使う場合は、切った爪を散らかすわけにもいかない状況も考えられます。カバー付きの爪切りであれば切った爪があちこちに散らないので、掃除するのも楽になります。
トゲ抜き
トゲ抜きは手に刺さってしまった木のトゲなどを取り除くのに使われます。キャンプや焚き木をする人であればお世話になった経験も多いはずです。
災害時の避難生活などでは、普段触らない木材などに触れることも想定されるため、いざという時のためにトゲ抜きを用意しておく必要があります。
トゲ抜きの中には、よりトゲを抜きやすいように拡大鏡が付いているものもあるため、予算に余裕があればこうしたタイプもおすすめです。
ハサミ
日常生活でも使用する機会の多いハサミですが、中には「万能バサミ」と呼ばれ、医療の現場などでも使われているタイプがあります。特徴は、服を切り裂いたり包帯を切ったりする際に体を傷つけないよう、歯の部分がくの字に曲がっていることです。
日常使いのハサミとは別に、救急用のハサミも常備しておくと便利です。
ホイッスル
護身用として使われることの多いホイッスルは、救急用にも応用可能です。万が一、狭くて発見されづらいところに閉じ込められてしまった場合などにホイッスルがあれば、居場所をアピールして救助を求められます。
通常の笛タイプのほかにも、ボタンを押すだけで大音量を出せる電池式のホイッスルも登場しました。いざという時に大きな音を出せる自信がない人であれば、こうした電池式のタイプを選ぶことが大切です。
綿棒
耳の掃除や鼻の掃除など、衛生状態を保つために欠かせないのが綿棒です。特に災害時の避難生活が長期にわたる場合、衛生用品としての綿棒の価値は高まります。
綿棒にもさまざまなタイプがありますが、赤ちゃんがいる場合は先の細いタイプの綿棒を使うのがおすすめです。
裁縫セット
災害時には、服が破れたりボタンが取れてしまっても新しいものを買えない状況が想定されます。破れた服やボタンは縫って使えるよう、裁縫セットも用意することがおすすめです。
本格的な裁縫道具をそろえると持ち運びも難しく、緊急時の携帯用として、針と糸、糸切りばさみなどの最低限のアイテムだけで十分です。
包帯
包帯は傷口を保護するほか、捻挫や骨折をした際に患部を固定するなど、幅広い用途に役立ちます。
中でもテープがなくても患部を固定できる「粘着包帯」は、救急箱の中身を最小限に抑える上でうってつけです。
常備薬
災害時などの避難生活中に体調不良になってしまうと大変です。もしもの時のために、最低限の常備薬は用意しておきましょう。
欠かせないアイテムは、「風邪薬」「胃腸薬」「湿布」「花粉症の薬」あたりです。救急セットの中に入れておけば、いざという時も安心できます。
使い捨て手袋
使い捨て手袋は、例えば食べ物を扱うときに衛生的な状態をキープするなど、さまざまなシーンで活躍します。特にコロナ流行後は、普段から着用している人もチラホラと見かけるようになりました。
もちろん、災害時などの緊急事態においても心強い味方になることは間違いありません。使い捨て手袋にもいろいろな素材がありますが、中でもニトリル素材の手袋は耐久性が高くて手にもフィットし、さまざまな用途に使える万能型として重宝します。
持ち運び用の救急セットも用意しておくと安心!
災害以外にも、いつどこで「不測の事態」に巻き込まれるかもしれません。そのため普段から救急セットを携帯しておけばさらに万全です。外出時に緊急で必要になるケースも多いため、持ち運び用の救急セットも常に持ち歩き、いざという時に備えるとよいでしょう。あるいは、会社のロッカーや車の中に置いておくのもおすすめです。
「家庭用救急セット」としてご紹介したアイテムの中でも、持ち運び用として常に携帯しておくとよい救急セットは以下の通りです。
- 消毒液
- 絆創膏
- 綿ガーゼ
- 除菌ジェル
- ホイッスル
- 常備薬
おすすめの救急セット6選!
ここまで紹介してきたアイテムを個別に買いそろえる以外にも、必要最低限のアイテムをパッケージ化した「救急セット」を購入することもおすすめです。
特に、救急セットとして使用するための箱自体が手元にない場合は、救急セットを買うことで箱自体も手に入れられます。
おすすめの救急セットとして、以下をリストアップしました。
- 震災時帰宅救援キット(東京都帰宅困難者対策条例適応)
- OHKEY 救急セット
- 山の奥 救急セット
- 応急手当用品14点セット
- 応急手当用品9点セット
- コンパクト ファーストエイドキット 15点セットCF15
それではおすすめ度の高い商品から順に説明していきましょう。
1:震災時帰宅救援キット(東京都帰宅困難者対策条例適応)
「震災時帰宅救援キット(東京都帰宅困難者対策条例適応)」は、2011年に発生した東日本大震災をきっかけとして都が定めた「帰宅困難者対応条例」に完全適応した救援キットです。
この条例は、帰宅困難者を3日間、会社に寝泊まりさせることを会社側へ求める内容となっています。この救援キットは、「会社に寝泊まりする3日間」を無事に過ごすために必要な装備を詰めたパックとなっていますが、もちろん会社以外の場所で避難生活を送る際にも役立ちます。
食糧や水、トイレ用品に防寒用のシートも入っているほか、災害時に必要な心得をまとめた「災害時行動情報携帯カード」も入っています。さらに携帯しやすいナップザックが入っている点も嬉しいポイントです。
■基本情報
商品名 | 震災時帰宅救援キット(東京都帰宅困難者対策条例適応) |
セット内容 | 簡易食糧・保存水(500ml × 2本)・トイレ処理材・サバイバルシート(防寒)・簡易手回しライト・高機能マスク(N95/DS2など)・災害時行動情報携帯カード・ナップザック(袋) |
サイズ | 高さ 313mm × 奥行 252mm × 幅 94mm |
重さ | 約2.2kg |
値段 | 5,280円(税込) |
購入先 | セイショップ |
2:OHKEY 救急セット
「OHKEY 救急セット」は、災害時に必要なあらゆるアイテム124点を一つのポーチに収めた充実の医療キットです。使い捨て手袋やホイッスル、LEDライトなど、ほかの救急セットには入っていないようなアイテムもそろっています。腰に装着して携帯しやすいウエストポーチ状になっている点も特徴です。
■基本情報
商品名 | OHKEY 救急セット |
セット内容 | キズテープM・ポイズンリムーバー・使い捨て手袋・消毒ワイプ×10・安全ピン×5・消毒ワイプ×4・ホイッスル・カット綿×2・ガイド(取扱説明書)・綿棒・多機能カード・テープ・止血帯・ピンセット・はさみ・包帯・アルミブランケット・三角巾・LEDライト |
サイズ | 18.5 x 13 x 3.2 cm |
重さ | 240g |
値段 | 2,580円(税込) |
購入先 | Amazon |
3:山の奥 救急セット
本来は山中で遭難した時を想定した救急セットですが、もちろん防災用としても有効です。野外でのサバイバルを想定しているだけあり、バッグが防水上となっており、悪天候の中でも中身を濡らさずに行動できる点が強みといえます。
■基本情報
商品名 | 山の奥 救急セット |
セット内容 | 救急カバン・ピンセット・綿棒・不織布テープ1巻・紗片布×2・絆創膏×10・ヨウ素片×4・アルコール片×10・止血帯・とめ針×10・ハサミ・三角包帯・PBT包帯・ポイズンリムーバー・防災笛 |
サイズ | 200×130mm |
重さ | 105g |
値段 | 779円(税込) |
購入先 | Amazon |
4: 応急手当用品14点セット
「応急手当用品14セット」は、老舗の衛生材料メーカーが厳選した「災害時に必要なアイテム」を完備した応急手当てセットです。
必要なものに絞って用意しているだけあり、軽量で持ち運びやすく、いざという時に必要なものが見つかりやすいという特徴があります。また、パッケージのケースは透明で中身を確認しやすく、箱を閉じた状態でもどこに何があるかがわかりやすいのも心強いところです。
■基本情報
商品名 | 応急手当用品14点セット |
セット内容 | 三角巾・カットガーゼ(30cm×20cm 12枚入り)・伸縮包帯(5cm×5m)・ネット包帯(ひじ用・頭用)・絆創膏(10枚入り)・切って使える絆創膏・カット綿(4cm×4cm 20g)・サージカルテープ(25mm×9m)・消毒液・ハサミ・ピンセット・滅菌綿棒(個包装50本入り)・ニトリル製使い捨て手袋×2双 |
サイズ | 314×217×155mm |
重さ | – |
値段 | 4,980円(税込) |
購入先 | 楽天 |
5: 応急手当用品9点セット
上記の「応急手当用品14セット」のアイテムの内容を、さらに厳選したコンパクトバージョンが「応急手当用品9セット」です。
携帯するにも便利で、家の中に置くだけでなく、日常的に携帯しやすいサイズとアイテムの充実度です。メインの救急セットとは別のサブとして、車や職場に常備させられます。
■基本情報
商品名 | 応急手当用品9点セット |
セット内容 | 三角巾・カットガーゼ(30cm×20cm 5枚入り×2)・ 伸縮包帯(5cm×5m)・絆創膏(8枚入り)・サージカルテープ(12㎜×9m)・消毒液・ハサミ・ピンセット・ニトリル製使い捨て手袋1双 |
サイズ | 136×176×50mm |
重さ | 158.4g |
値段 | 2,980円(税込) |
購入先 | 楽天 |
6: コンパクト ファーストエイドキット 15点セットCF15
「コンパクト ファーストエイドキット 15点セットCF15」はケースの重さ170gと、筆箱のように軽く、持ち運び用の救急セットとして、普段からかばんやバッグに入れて持ち運ぶのが苦にならないのがポイントです。ケースは軽いにもかかわらず頑丈なので、もともと入っていた救急セット以外の貴重品を中に入れて守ることもできます。
■基本情報
商品名 | コンパクト ファーストエイドキット 15点セットCF15 |
セット内容 | 収納ケース・絆創膏5P・ワンタッチ包帯・コットンパフ3P・綿棒10P・救急手引 |
サイズ | 117×78×33㎜ |
重さ | – |
値段 | 1,066円(税込) |
購入先 | Amazon |
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まとめ
昔に比べて救急セットを持っているご家庭は少なくなりましたが、災害の脅威が高まる昨今では、救急セットの価値が見直されてきています。お家に置いておくメインの救急セット以外にも、サブで常備する持ち運び用の救急セットも用意しておくと便利です。
救急セットの中に入れておくべきアイテムは多数ありますが、すべてご自身で用意していくのは大変です。そこで、パッケージ化されている救急セットの購入を検討することをおすすめします。非常時に大切なご家族やご自身を守るためにも、ぜひお早めにご準備ください。